放課後のきみ

「…なんなら、俺んちに泊まる?」


「………」



―トマル?

―とまる?

―止まる?

―停まる?

―泊まる


「ぇえ゙っ?!」


なっ何を言い出すんだ?この人は?!


「家なにげ広いし」


んなこと知ってるよ!

泊まるって!何こんなにサラッと言っちゃってるの?!



「そうしたら?」


「はあ?」


「仲里さんちに俺電話するし、諸事情がありましてー…みたいな?」


「何言ってるんですか?無理です無理!」


「怒られたくないんでしょ?」


「そりゃあ……」


怒られたくないさ
だけど、泊まるって……


「あ、男んちってのが悪いんか!」


気付いたか!頷きたいけど、なんか頷けない…


「じゃあさ…友達んちに泊まるってことにしたら?」


先輩、泊まる前提で喋ってるよね…

でも、怒られたくないし、ただの逃げだけど、でも泊まるって……いや、私は何を考えてるんだ?やましいことを考えていない?ただ泊まるだけだ!体を休めるとこを貸してもらうだけだ

何もない!借りるだけ!

よしっここは先輩に頼ろう!


「お言葉に甘えて、一晩お世話になりますっ」


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