放課後のきみ
―ブオーン
ドライヤー音があたりに鳴り響く。
やば……真っ直ぐ顔上げらんない…
顔を上げれば、そこには鏡がある。
こんな、髪乾かしてもらってるところなんて見れない… あぁぁー
…つまりは結局、優斗に髪を乾かしてもらうことに…
美優の顔は確実に赤い。
「…〜っ先輩!やっぱ自分でします」
―ブオーン
「……え?何?!」
「だからっ!」
―ブオーン
美優は結構大きな声で叫んでみたものの、ドライヤーの風音に掻き消されてしまった。
もーいいや…
どーにもなれ…
美優はやげやりに諦めると、ちらっと鏡越しに優斗を見た。
そこには、わしゃわしゃと自分の髪を乾かしている優斗がいた。
どこか楽しそうで…
先輩…なにも思わないのかな?
恥ずかしいとかさ…
……ちょっとでも、意識とかしないの?
ねぇ…先輩
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