放課後のきみ
いつの間にか、美優は鏡越しの優斗を見つめていた。
―パチ
「かんりょーう」
それを合図に美優はハッとした。
あぶな……ガン見…
「あ、ありがとうございました…」
美優の髪は乾いていた。
「いいえ、てか髪長いね」
そう言いながら優斗は美優の髪に触れた。
「そ、そうですか?」
鏡に映る光景を見るのが美優は恥ずかしく、目を背けた。
私……意識しすぎだよ
先輩、こんなに普通じゃん
「本当にありがとうございました。
…じゃあ、私出ますね」
美優は早くその場から出たかった。
そして、洗面所を出ようとした。
「うん。あ、待って」
すると、優斗に呼び止められた。
「?」
「テーブルの上にゼリーとかあるから食べて。結構もう遅いし、ゼリーとかがいいかと思ったんだけど…」
「あ、」
「いらなかったら置いといていいから」
「ありがといございます」
「じゃ、俺入るわ」
「はい…」
美優はその場からリビングへ向かった。
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