放課後のきみ

―――――


「………」


風呂から上がった優斗の目には、ある光景が映った。


「…なにしてんだよ」


苦笑しながら呟いた。


そこには、


優斗が美優のためにと買ってきたゼリーを、両手で包み、テーブルにすがって寝ている美優がいた。


それは、どこか微笑んでいるかのような寝顔で、優斗もつられて微笑むしかなかった。


仕方ないな…


優斗は美優へ近付き、手の平に包まれているゼリーを静かに離し、横に置いた。


その時、美優の指がピクッと動いた。


「………あぶね…」



テーブルに前屈みになっている美優の体をゆっくりと動かしてテーブルから離し、美優の背中を自分の右手で支えた。


「……ん」


ドキッ


やばい起きる…―?!


美優の声が一瞬もれた。


「……スースー…」


「…ふー、セーフ…」


優斗は安堵し、美優の足を左手で持った。


いわゆる、お姫様だっこである。


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