放課後のきみ
優斗はゆっくりと立ち上がった。
―軽る…
美優を抱き上げた優斗の感想だった。
そして、優斗は自分のベッドに美優を寝かせるために寝室へ向かおうとした。
すると、
ゾワッ
「…え」
優斗の首にヒヤッとした、細い何かが触れた。
何かと思い、それに目をやった。
「……」
その何かとは、美優の細い腕だった。
美優の両腕が優斗の首に回されていた。
「ちょっ…え」
何、起きてんの?!
な、なな何だよ!
優斗の体は硬直してしまった。
おいおいおいおい…!
うそだろ…勘弁してくれよ
優斗の心拍数は急上昇。
美優は起きているのかと思いきや、気持ち良さそうに眠り続けている。
「……ん…フフ…」
笑ってるし、さぞかしいい夢でも見てんだろうな
俺の気にもなってみろよ…
優斗の心臓は美優に聞こえてしまいそうな程、激しく音をたてていた。
―よしっ…
優斗は気を取り直し、寝室へと向かった。
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