放課後のきみ
気付いてんのか?
本当に寝むってんのか?
そんな疑問が優斗の頭に浮かぶ。
優斗の顔は確実に赤いだろう。
「んー…」
美優の寝言はおさまらないままだ。
―ガチャ
寝室の部屋の前に着くと、扉を開けた。
ベッドへと向かい、その上に美優の体をのせた。
―だが…
美優が自分の首に回した腕を離してくれない。
おいおい、嘘だろ…
離してくれ…!
びっくりする程、美優の顔は近くにある。
離せ!
声に出したくても起こす訳にもいかない。
美優の腕を離そうとしてみたが、
「んんー……」
余計、力が強まった。
「………」
参ったな……どうすりゃいいんだよ…
顔、近い…
「………」
その時、優斗は思ってしまったのだ。
『一応、俺も男の訳で…』
と。
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