放課後のきみ

――――――

大きな声で目を覚ますと、そこには美優の顔があった。






だめだ…

思い出すんじゃない

昨日の俺はおかしかったんだ

昨日の俺は俺じゃない…





「先輩?」


「あ?」


「どうしたんです?まだ寝ぼけているんですか?」


「いや、もう起きてるよ……あ、昨日は眠れた?」


「あ、はい…あの、ベッドまで先輩が運んでくれたんですか?」


「え、……あー、うん」


「そうですか…ごめんなさい、場所取ってしまって」


「いや、いいよ」


平常心、平常心…


「…あの、学校は…」


平常心、平常心…


「…あぁ今日土曜だよ」


平常心、平常心…


「でも、土曜補習」


平常心、平常心…


「もう終わってるんじゃない?」


平常心、平常心…


「あーそうですね…」


平常心、平常心…


「先輩…?


平常心、平常心…


………やっぱり変ですよ」


「平じょ………へ?」



.
< 196 / 203 >

この作品をシェア

pagetop