放課後のきみ


「みーっゆ!本当にテニス部入んないの?!」


「…あぁ美月(ミヅキ)かぁ、うん。入んないよ…」



【倉本 美月】

美優と同じく高校1年生
ふたりは中学からの友達、というより親友だ。


そして今、部活について話している。
っていうか話されている。


「美優おきてよー!顔あげてーっ」


美月は机に張り付いた美優の上半身を机から剥がそうとした。


「にゃー!」


「変な声出さないでよ。あんたは猫か?!」


「我輩は猫である…」


「ちょっとバカなこと言ってないで!!本当に入んないの?!」


「はぁ...入んないよ」


私は机から体を起こして、美月の方を見て言った。


「いいの?それで。」


「うん。中学で燃え尽きた。もう、やる気ない...」



美優は中学からテニス部に所属していた。
中学では実はエースだったりする。


「あーぁ、期待のエースが…」


美月がボソッと呟く。


「そんなの美月のことでしょ?」


美月とはダブルスを組んでいた。
エースと組む位だから美月も腕は立つ。


「あたしはインハイ目指すよ!!
美優と組んで目指したかったけど…」


「もーう!!嬉しいこと言ってくれるじゃなーい!!」


そう言って美優は美月の肩をバシッと叩いた。


「え?!なら入ってくれるの?!」


美月...そんなキラキラした目で私を見ないで…


「ざ、残念ながら…」


「なーんだ…」


寂しそうに美月は言った。


「でも!!うちらの仲が壊れる訳じゃないじゃん!!クラスも一緒なんだしさっ」


「うん………そうだよね!仲良しでいてよねー!」


「あったりまえじゃーん!!」


「でも!気が変わったらいつでもWelcomeだからね!!」


懲りねーっっ!
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