放課後のきみ
テニスをしている姿を見れば、少しばかりは体がムズムズするものだ。
「はぁ……」
今頃入ったって、もう追いつけないよ…
美優は外から目を反らした。
そして、部屋の真ん中にある真っ赤なソファーの埃を手で払い、そこに腰をおろした。
「あ、フワフワ…」
そのソファーは思ったよりも座り心地がよかった。
しかし誰がこんなとこにソファーを置いたのか、何故ここには誰も来ないまま放置されているのか、美優は不思議で仕方なかった。