放課後のきみ
「ち、違うよっ!!」
やっとのことで、言うことができた言葉だった。
「え?」
不思議そうに私を見る橘さん。
「私、神崎君のことなんてスキじゃないし!神崎君なんて最近知ったばっかだし、そもそも私はスキな人なんていないからっ!」
やっと言葉にできた。
「いいんだよ?嘘つかなくて」
「嘘じゃないから!」
「…気使ってるんでしょ?」
事実を話しているのに信じてくれない。
「本当だから!」
「じゃあ、どうして帰っちゃったの?あたしの質問に答えてないのに」
う……そこ来たか…
「だから、急用思い出したって言ったじゃん!」
私は下手な言い訳を貫き通そうと考えた。
「用ってなんだったの?」
しぶとい……
「えっとー……」