放課後のきみ

「え、あぁ…うん。今のところは……」


「それでねー!!お菓子クラブに入んない?!」


「…お菓子クラブ?」


「うんっ!お菓子作って食べるの!!いま、7人ぐらい集まってるの!!みーんな女の子なんだけどっ!!」


「なんで、私…?」


橘さんは、なんか…キャピキャピして、今時の若い嬢ちゃんって感じ…
他の子だってそうだろう…私はちょっと合わない…と、感じた


「そーゆーのってー大勢のほうが楽しいじゃない?でー部活入ってない人を片っ端で集めてんの!!」


わーお。ご苦労さんなことで…


「あーごめん。私お菓子とか甘いのあんまり食べないからさ…」


「“あんまり”でしょ?!食べたい日もあるかもよ?!」


はぁ?なんだそれ…


「いや、無理」


「作るだけでもいいしっ!」


そのほうが余計意味わかんないよ…
めんどくせー……―


「ごめん、無理…」


「えー!絶対楽しいよー?体験来る?」


しつこい…


「だからっ!!」


今にも怒鳴りつけそうになったとき…―


「みーっゆ!!トイレっ!!」


美月が私を呼んだ。


なんてナイスタイミング!!


「じゃっ橘さん、私入んないから!」


私は席から立ち上がり、一目散で美月のところへ向かった。


通りすぎた後ろから、橘さんの“えー?!”っていう声が聞こえた。



【橘 由祈】侮り難し―


そう、胸に強く言い聞かせた。
< 5 / 203 >

この作品をシェア

pagetop