放課後のきみ


庭に出て、車に乗り込んだ。


兄ちゃんに送ってもらうなんて久しぶりだなー


なんとなく、美優は嬉しかったのだ。


「シートベルトした?」


「OKです」


「「じゃいってきまーす!」」


玄関先で見送ってくれていた母さんに手をふり、学校へと向かった。


美優はいつも徒歩で学校へ通っている。
歩きだと、20分はかかる。
車だと5分で行ける。
徒歩で行くのは体力づくり。
テニスを辞めたから、体が…まぁ、太らないために。



「美優、ごはん食べてしまいな」


「あぁ、うん」


美優は、さっき母さんにもらったおにぎりを手に取った。


「いただきまーっす!」


パクっ


「おーいしー!」


そんな美優を見て、兄は隣で笑った。
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