放課後のきみ

5分なんて本当にあっという間だ。


「美優!着いたぞ」


「ありがと兄ちゃん!」


そう言って、美優は車を降りた。


「しっかり勉強してこいよ!」


「はーい」


「あ、言うの忘れてたけど…」


「え?何?」


「…髪、寝癖ひどいぞ?」


「え…」


美優は車の窓で自分の頭を見た。


そこには髪のいたるところがはねている自分がいた。


髪を整えることを完全に忘れていたのだ。



「はやく言ってよーーーっ!!!」




時刻【8:32】


遅刻まであと8分。
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