放課後のきみ
あの日から橘さんとは話していない。
美優が避けているようにしているから、仕方のないことなのだが…
「……なんかあった?」
美月は心配そうに美優の顔を覗き込んだ。
「なんにもないよ」
「なんかあるね。その顔は!」
げ、バレてる…
「もしかして……美優………」
ドキ ドキ……
「神崎君のことスキになっちゃった?」
…―は?
「…いやいやいやいや!違うしっ」
美優は箸を持った右手を左右に大きく振った。
前にもこんな勘違いをされた気がする…
「あははっ冗談だよ〜」
「私スキな人なんていないし」
「知ってるけど〜」
「……美月はどうなの?」
「どうって………うーん…………………スキだよ」
美月は今までとは打って変わってなかなか見せない顔を見せた。
「え?!まじ?!!え、なになに?そうなったのは?!」
「聞きたい〜?」
「ききたーい!」
「……えっとねー………」