放課後のきみ
―――――――
「美優っ体育!」
「あぁ、行こっか」
「体育終わったらごはんだよ〜あたしお腹へったよー」
「私もお腹へったー」
「今日もバレーかなあ?」
「そうでしょ」
「やった〜」
二人は運動が得意な方だ。
テニスはもちろんそのほかもできるのだ。
「最近部活どうなの?」
「部活ねえ〜……」
ただいま、次の試合まで待っている最中。
「なに?」
「なーんかハードすぎ。休みなんてないし…」
「土日も一日練習なんでしょ?」
「うん。なぁーんかねー……」
「うん?」
「前まではスキでやってたけど…いまは……やらされてるって感じ。全然自主的じゃないのね」
驚いた。
あんなにテニスがスキだった美月から、そんな言葉を聞くとは思わなかったから。
「………」
何も返す言葉が見つからなかった。
「でも!そんなこと言ってらんないよ。総体近いし、こういうことって付きものだと思うし」
無理矢理笑って見せる笑顔が何とも言えなく、辛そうだった。
あぁ、どうして早く気付いてあげることが出来なかったんだろう…
「なんかあったらいつでも話しなよ?」
「うん。ありがと」
そんなことしか、今の私には言うことが出来なかった。
― ピー
「あっほらうちらの番だよ。美優!」
「あ、うん」