放課後のきみ
その誰かは、小さな教室の真ん中に置いてある、真っ赤なソファーに寝そべり寝ていた。
「な、んで……」
これは夢なの?
どうしてここに居るの?
予想外過ぎる事態を美優は上手く把握出来ないでいた。
その人は制服を着ている…男子生徒のようだ。
「あ、スリッパ……」
赤色だった。
赤は三年生だ。
二年は緑、一年は紫だ。
その人は寝ているままで起きる気配がない。
美優は入口付近から、動かないまま呆然と立ち尽くしていた。