放課後のきみ

「「………」」


お互い、やはり無言……


いけない何か言わないとっ…


「あのっ私は一年の仲里 美優です」


「あぁ、仲里さん…俺は高瀬 優斗です」


高瀬………


「あ、はぁ高瀬さんですか」


「うん……仲里さんはどうしてこの場所を?」


「え、と…四階をウロウロしていたら見つけまして…」


「へぇー今日?」


「いえ、結構前です」


「そうなんだ…俺は今日初めて来たんだ」


「あ、そうなんですかー」


「そしたら眠くて寝ちゃったんだよね」


あら、当たったじゃん


「仲里さんはよくここに来るの?」


「あ、はい。毎日来てますね」


「じゃあ、帰宅部だ」


「そう、ですね…」


「俺と一緒だ」


ふと、微笑んだその笑顔に自分でも驚いたことにドキッとしてしまった。


見た目は優しそうで、落ち着いた感じで、私はカッコイイと思う。


なんだろう、初対面なのに………どうしてこんなに落ち着くんだろう。


「ねぇ」


あ、私この人の声好きだな。


何故かそう思った。
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