放課後のきみ
「仲里さん?」
「…あ、はい?」
ぼーっとしてたや…
「どうかした?」
「え、いえ……あ、高瀬さんはこの場所をどうやって知ったんですか?」
どうにか話を繋げようと思って言った。
「……あのねー俺、兄がいるんだ」
「へーそうなんですか」
「結構前にこの学校卒業したんだけどね」
―ん………?
「でね、なんかこの場所でなんか四人ぐらいでいっつも集まってたんだって」
…………えぇ?
「で、なんか俺がこの高校に入学するって決まったとき、こんな場所があるんだーって教えられて、存在自体は知ってたんだけど今日初めて来たんだよね」
「へぇ……」
「で、ここに来たってわけ」
「あのー…お兄さんのお名前は……」
「あー貴昭だよ」
「あぁっ!やっぱり?!」
美優は椅子がひっくり返るぐらいの勢いで椅子から立ち上がった。
「えぇ?」
美優はあの棚へと駆け出した。
「これっ?!」
あの落書きを指差した。
「え、なに…」
先輩も棚へと足を歩かせた。