それが答え〜やっぱり一緒に・・・〜
私の決意を聞いた時、夫はなんと言うだろう?さすがに少しは動揺してくれるだろうか。でも、それはまさに後の祭りというものだ。


子供達のことも気にならないわけではないが、あの子達も、もう大人だ。私がいなくてもやって行けるはずだし、私の気持ちも分かってくれるだろう。


私はそう思い定めて、玄関のドアを開けた。


「ただいま。」


「お帰り。」


いつもは居間に居て、入って来た私を一瞥するのが、せいぜいなのに、なぜか今日は玄関まで出迎えてくれた夫。


ちょっと面食らったけど、私はすぐに
 

「実は・・・。」


と切り出そうとすると


「話があるんだ。」


と見事に夫に先を越されてしまった。


「ちょっと、あっちで座って話そう。」


そう言うと、夫は私の手を引いて、居間に向かって歩き出す。夫と手を繫ぐなんて、いつ以来?戸惑いながら私は付いていく。


そして、ソファーに私を座らせると、自分も横に座る。


「あの、さ・・・。」


なんとも照れ臭そうな表情で、私の目を見ながら、夫は話し始めた。


「いつも、ありがとうな。」


「えっ?」


「仕事忙しいのに、いつも家事も、頑張ってくれて、感謝してる。それに・・・今更だけどさ、俺と結婚してくれてありがとう。俺の子供を2人も産んでくれて、あんなに立派に育ててくれて、本当にありがとう。」


あまりに意外な展開に、私は呆然と、夫の顔を見つめてしまっていた。
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