流されて付き合ってみたら意外と俺様でした
土曜日、幸太の家
「香澄、かわいいけど何でタイツにショートパンツ?」
「寒いからタイツは履くでしょ」
「それならジーパンとかのほうがよかった、タイツ破れそうだろ!」
「破れること前提で履かないから」
幸太は香澄のショートパンツを脱がしタイツも脱がしている途中だった
「一応爪は切ったよ、香澄に傷つけたらいけないから」
「何をそんなに気にしてるのよ」
「もう、覚悟できてるよな」
「知らない」
香澄は逃げる
「捕まえた、もう、世話のかかる子犬みたいだな」
後ろからいつものように抱きつかれた
(あー捕まっちゃった)
香澄は諦めた、力を抜いたのがわかったのか幸太はキスを始めた
「んっ……」
幸太は香澄の服を脱がしていく
香澄も覚悟はしていた
「明るいから恥ずかしいよ」
「でも、香澄の全部見たい」
「バカっ、ホントにSだよね」
「(笑)香澄にだけな、マジで無理だったら言えよ、俺らの初めてなんだから」
「もう無理……」
「だからまだキスだけだし(笑)」
「幸のキスは気持ちいいのすぐボーッとなるの」
「俺以外とキスするとかはぜってぇ許さないから、その顔、他の奴に見せるの禁止」
幸太は激しいキスを香澄にあびせる
「駄目……」
「香澄、大丈夫?」
「んっ、幸……」
香澄は幸太に向かって手を伸ばす
「ん?掴む?回す?」
「きて」
「ん、わかった」
香澄は幸太の上半身にしがみついた
「しっかり掴まってろよ」
何分抱き合っただろう
幸太は言葉は責めるけど優しく抱いてくれた
身長の高い幸太は香澄をすっぽり包んでくれた
「香澄、好き」
「ん、あたしも」
「抱いたら素直になったな(笑)」
幸太は香澄を自分の目の高さまで引き揚げた
「よっと」
「何?」
「腕枕したい」
「あたしはお腹減った」
「じゃあ、先にメシにして時間までゆっくりしようか、香澄は少し横になってろよ」
「いいの?」
幸太は服を着て部屋を出た
香澄はウトウトし始めた時、パスタを作って部屋に運んできてくれた
「香澄、お待たせ、あれ、寝てる」
パスタを机に置くと香澄を起こす
「あっ、ごめん、寝てた」
「いいよ、はい」
「ありがとう、いただきます」
幸太は香澄に布団をかけてあげる
「美味しい~」
「香澄、明日会える?」
「うん、来週が模試だよね、懇談もあるし」
「香澄は国立狙うのか?」
「迷ってる、私立の社会福祉学科か、国立の教育学部か」
「福祉の先生になりたいとか?」
「あのね、養護教員のほう」
「保健の先生か」
「うん」
「香澄が保健室にいたら、俺が生徒だったら入り浸るかも」
「駄目じゃん(笑)」
「俺はバスケで行くけど私立になりそうだな、熱心に誘ってくれてるから、同じとこ行きたいけど、金の問題もあるからな、親と相談しろよ」
「うん、ご馳走さま、美味しかった」
幸太は香澄のお皿を受けとって机に置くと服を脱いでベッドに入った
時間まで二人は抱き合った
打ち上げに行くと幸太は男子に呼ばれ、香澄と付き合うようになった経緯を説明させられた
三年最後のクラスマッチ打ち上げは幸太と香澄の話題で盛り上がってお開きとなった
次の日
「おはよ、朝早かったけど起きれた?」
「うん、晃太が部活に行くからバタバタうるさくて目が覚めたし大丈夫だよ、今日はどこいくの?」
「街のほう」
電車に乗って二人はある建物の前にいた
「ここは何?」
「スタジオ」
幸太は香澄の手を取り、建物の中に入っていく
「おはようございます」
幸太が挨拶すると中にいたスタッフが挨拶してきた
「おはよう」
「幸太くん、かわいい子連れてるね」
一人の女の子が写真を撮られていた
かわいい!細い!
170センチくらいありそうな長身にスレンダーな身体、整った顔の美人モデルさんがカメラの前でポーズをとっていた
「幸太、おはよう」
「おはよう」
一人の女性がスタジオに入ってきた
「幸太の彼女?」
「うん、かわいいだろ?」
幸太は嬉しそうにその女性に話す
香澄はペコリと頭を下げた
女性から名刺を渡された
「瀬戸って……」
「幸太の叔母です」
「佐伯香澄です、えっ叔母?いとこではなくて?お若いですよね」
「父さんの妹だから叔母さんだよ」
「幸太のお父さんとは年が離れてるのよ」
「叔母さんていうと怒るんだ、政美さんて呼ばないと、俺着替えてくるからそこに座ってて」
香澄は言われた通り椅子に座って撮影を見ていた
「幸太と同じ年?」
「はい、同じクラスです」
幸太が着替えを終えてやってきた
「どう?香澄」
「幸は背が高いから何でも似合うねって着替えるってもしかしてモデル?」
「うん、いってくるな」
幸太はカメラのほうに向かいスレンダーな美女とツーショットで写真を撮られていく
「何も聞いてなかったの?」
「はい、今日空いてるかって聞かれてただけで、どこに行くとかはいつも内緒なんです、まだ付き合いだしたのも最近なので……」
「幸太は昔からモデルしてくれてるのよ、バイトで、部活のあいてる時にね」
「そうなんですね」
幸太は慣れたようにポーズを決めていた、美女と肩をくんだり、腕を組んだり、まるでカップルみたいに……
「おつかれさま、二人とも衣装チェンジで」
「はーい」
二人が香澄の方へ歩いてくる
「幸ちゃんの彼女さん?お名前は?」
スレンダー美女は近くで見ると細くてホントにモデルって感じで微笑んできた
「佐伯香澄です」
香澄は頭を下げる
「初めまして、幸ちゃんの姉の樹里亜です」
あっ、お姉さんが確かいるって、そういえばモデルしてるっていってたっけ、忘れてた
「香澄ちゃんね、一緒に控え室行こう」