流されて付き合ってみたら意外と俺様でした
私、何も考えず幸を家に呼んじゃったけど迷惑じゃなかったかなー
幸はまた何か自分で予定を立ててたかもしれない、ましてやお父さんに会うなんて、夕食までって樹里亜さんのご飯とか大丈夫だったかな
香澄は部屋で着替えながら考えていた
5人で夕食をとりみんなで幸太を見送った
晃太は幸太から離れずあまり話せなかった
次の日の学校帰り、いつもの公園
「ねえ、昨日私、勝手に家にくる?なんて決めちゃってよかった?迷惑じゃなかった?その家族も引き止めちゃって」
「ああ、全然、晃太とも話せたし楽しかった」
「幸のことだからまた予定とかあったんじゃないのかなって……」
「予定はあくまでも予定だよ、香澄が決めたんなら構わない、香澄がどこいきたいとか何かしたいなら遠慮せずに言って欲しい」
香澄はびっくりした、勝手に決めてるものだと思ってたから
「あの、ごめん、そこまで幸が考えてくれてるとは思わなくて、ちょっとびっくりした」
「何で?何かのチケット取ってるとかならちゃんと言うし、映画とか見たいならちゃんと約束するぜ」
香澄は少し頬をふくらませた
「もう、なんか慣れてる」
「ヤキモチ?」
「少し……」
「中学生なんて、映画とかしか行くとこないし、金もないしな、過ぎたことにヤキモチやかれても困るんだけどな」
あっ、また俺様入ってる、こういうときは……
幸太がゆっくり近付いてくる
やっぱり……えっいつも後ろからなのにまさかの顎クイ?
香澄は目をつむる間もなく唇を奪われた
「何?そのびっくりした顔、目つぶれよな」
「だっていつも後ろからじゃん」
「後ろからがお気に入りだった?クスッ、まだまだ香澄が気持ちよくなるように色々するよ」
「あの、キャパ越えるので程々でお願いします」
「やばい、いじめたくなる、か、す、み、」
幸太は耳元で香澄を感じさせた
二学期終業式
「玲奈、これよかったら見て」
「何~あっ知ってるよこの雑誌」
「一週間早いけどもらったから玲奈だけあげる」
「最新号?」
玲奈はパラパラとページをめくる
「瀬戸くんだー、毎月は私も買わないけど表紙見て気になる特集あったら買ってるよ」
ページめくると香澄がいた
「おー、香澄かわいいじゃん」
「幸についていったら撮られた、樹里亜さんが幸のお姉さんなの、樹里亜さんのマネージャーと時々モデルすることにしたんだー」
「あんた、受験生だよ?国立いこうとしてたから余裕なの?あたしは一杯一杯だし、彼は会ってくれないしちっとも勉強すすまない」
はぁ、と玲奈はため息つく
「どうしたの?」
「わかんないから困ってる……最近あんまり会ってくれなくてさ……クリスマスも近いのに別れちゃうのかな」
「いつから?」
「懇談会終わって高園大学に行くって報告してから……大学に好きな人ができたのかなって考えちゃって」
「喜んでくれなかったの?」
「私成績がギリギリだからさ、それも言ったんだけど、がんばってとは言われたよ、でも用事あるって会ってくれないし」
「聞いたの?」
「バイトだって」
「それだと連絡もしづらいね」
「まあ、また連絡してみるよ」
「いつでも話聞くから」
香澄は玲奈とわかれて幸太といつもの公園へ
「香澄、俺とキスしてんのに何考えてるんだよ」
香澄の耳にカプッと噛みつく
「痛い~」
「どした?」
「はぁ、幸はよく気付くね」
「見てるから(笑)」
「玲奈の彼氏が最近会ってくれないらしくて悩んでた」
「彼氏いたんだ」
「1つ上で高園の一年なの、玲奈も高園いくって勉強頑張ってるのに好きな人でもできたかなって不安で勉強が手につかないらしい」
「香澄と岡本は成績はどっちがいい?」
「あたし」
「じゃあ、受験の邪魔したくないんじゃね?」
「でも、それならそう言ってもいいことない?その言葉で頑張れるし」
「まあ、俺なら追求するな、はっきりしないのは嫌だし」
「あたしもそう思う」
「クリスマス近いし男のほうも考えるだろう」
「だといいけど……」
「俺らはクリスマスどうする?」
「樹里亜さんの仕事が24日は入ってるよ」
「そっか、まあ終わった時間で決めるか」
「うん、そうしてくれると助かる」
「今日寒いから帰るか」
二人は腕を組んで帰る
クリスマスイブ前日
玲奈からメールが入る
’24日、バイトっていわれた、もう駄目なのかな…’
‘バイト行く前に一時間でも時間とってはっきり聞くべきだよ、勇気だして’
玲奈は彼氏にメールを送る
‘今日か、明日、一時間でも会って、クリスマスプレゼント渡したい’
‘わかった、じゃあ25日の朝9時でいい?’
‘ありがとう’
玲奈は覚悟を決めた
香澄に報告する
‘25日に会うことになった、結果どうなっても仕方ない、また報告するね’