流されて付き合ってみたら意外と俺様でした


「肩にずっしりくるんだよ、母さんメシ」

「はい、香澄も食べる?」

「少し食べて、寝る前に薬飲んどく」



次の日の朝

「いってきまーす」

「香澄、熱は?」

「7度だった、大丈夫よ行ってきて」

「そう、じゃあ昼前に出るから」

(汗かいたからシャワーしよう)

シャワーをして髪を乾かしさっぱりした香澄は布団に横になりまた寝てしまった

晃太と幸太は部活終わりにコンビニへ

「晃太、よかったのか?姉ちゃん熱は下がってた?」

「俺が出るときまだ寝てたんで……でも夜もご飯食べてたんで大丈夫っすよ、プリン買ってきてって頼まれてるんで」

「晃太は優しいな」

「えー普通ですよ、こきつかわれてますよ、すぐ拗ねるし、おおざっぱだし、どこか抜けてて、ほっとけないんですよね(笑)」



二人は晃太の家につく
リビングに通される

「適当に座って下さい、お茶いれますね」

幸太はソファに座る
晃太がお茶を入れてきて二人は弁当を食べる


「先輩、進路決めたんですか?」

「三つで迷ってるんだ、地元の私大と国立と県外で」

「どこも強豪ですよね」

晃太の友達から電話がかかってくる
同じ一年バスケ部の子だった

「先輩、俊介らもDVD 見たいって、呼んでいいですか?」

「いいよ」

「家わかんないから近くのドラッグストアまで迎えにいってきます」

「じゃあ、姉ちゃんのお見舞いでもしようかな」

「二階に上がって左の部屋です、寝てたら起こしていいですよ、すみません、じゃあすぐ行ってくるんで」

晃太は家から出ていった 

さてと往復で20分くらいか……短いな

幸太は二階に上がっていく
ノックするが返事がない、ドアをゆっくりあける

(……っ香澄は……何て格好で寝てんだよ、マジか)


香澄はシャワーを浴びてから上機嫌で髪を乾かした後、ベッドに横になり寝てしまっていた
下はショーツ、上はキャミソールだけでクッションを抱き枕にして横向きに寝ていた

(やばい、早く香澄のこと抱きたい、この格好はずるいよな)

幸太はベッドに近付きクッションで押されキャミソールから今にもあらわになりそうな胸に目がいく
いつもは束ねている長い髪は少し前にたれ香澄の口元へ

(髪を食べる気か?(笑))

香澄の口元の髪を後ろにまわし唇を触る

「香澄、また風邪ぶりかえすぞ」

香澄は少し反応したが起きない

幸太は耳元で囁く

「香澄、プリンあるぞ」

「プリン?」

(クスッ、プリンに反応するのか、かわいい奴)

幸太は香澄にキスをする

「……んっ」

香澄は目を覚ました

「あっ、起きた?」

「びっくりしたー、もうそんな時間?晃太は?」

「一年から電話かかってきてそこのドラッグストアに迎えにいった、香澄が起きないからさ二人の時間なくなっちゃうよなー、俺が呼んでも反応ないのにプリンに反応するんだもんなー」

「ごめん……」

「服を着てくれないかな、襲うよ」

「あっ」

香澄は立ち上がってタンスに向かい引き出しをあける

「家では晃太の前でもそんな格好でいるのか?」

幸太は後ろから抱きつく

「まあ、家族だし」

「晃太に妬くな」

「そんな、弟に妬いたって……」

幸太は後ろから香澄の顔を横にし、いつものようにキスを浴びせる

(瀬戸くんはいつも後ろからキスをしてくる……)

幸太は香澄の抱き心地が好きでいつも後ろから抱きつき右手で顔を持ち、左手は腰に手をまわす

頬に当てられた右手は首筋をスーっとはわす
そしていつも耳元で名前を囁いてくれる

強引だが香澄も幸太のこの行動が好きだ
ぼーっと何も考えられなくなる、幸太のキスで堕ちたともいえる



玄関の開く音がする

「時間切れだ、残念」

ぼーっとなっていた香澄は膝から崩れる

「おっと、いつも座ってしてるからな、力抜けたか、かわいいよ、香澄」

幸太はベッドに運ぶ

「ちゃんと服きて、落ち着いてから下りてこい、男が他にもいるんだからちゃんと下着つけろよ」

幸太は部屋から出ていった

(やばい……瀬戸くんのSっ気にやられてる自分がいる)



しばらくして香澄は下におりる

「あっ姉ちゃん起きた?先輩が起こしても起きなかったんだろ?」

香澄は幸太を見た
微かに微笑んでいた

「お邪魔してます」

一年二人来ていた

「いらっしゃい」

香澄は笑顔で迎えた
男四人でアメリカのバスケの試合を見ていた

(カレーでも炊こうかな)

香澄は料理に取りかかった
対面キッチンから男子達の歓喜の声を聞きながら鍋の煮るのを待っていた
晃太が冷蔵庫にジュースをとりにくる

「熱は下がった?プリン買ってるよ」

「うん、ありがとう、食べるね、カレー作るから」

「うん、わかった」


香澄はカレーが出来てから食卓でプリンを食べていた

プリンが大好きな香澄はいつも二つのプリンを食べる、最初は普通のプリン、二つ目は焼きプリン

スプーンをくわえて二つ目のプリンをあけていた時幸太と目があう
幸太は小刻みに震えながら笑っていた

「先輩、どうしたんですか?」

「いや、かわいい生き物がプリン二個も食ってるなと思って……」

みんなの視線が香澄に集まる

「ほんと、晃太の姉ちゃんかわいいな」

「姉ちゃん、スプーン食ってんじゃないよ、恥ずかしいから」

香澄は真っ赤になる

「やることが子供なんだよな」

「晃太、ご飯食べるとき呼んでね」

香澄はプリンをたいらげて二階にあがった

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