流されて付き合ってみたら意外と俺様でした


香澄は自分の部屋で本を読んでいた
メールが入る

‘さっきのスプーン食わえてる香澄かわいかった’

‘笑ったくせに’

何で下にいるのにメールしてくるんだろう、下で話せばいいのにな、クラスメイトだから話してもおかしくないはず

‘明日、空いてる?’

‘うん’

‘体調よくなったんなら出かけたい’

‘大丈夫だよ’

‘じゃあ、1時に香澄の近くの駅で’

‘はい’

約束がしたかったのか、じゃあ下では言えないな、納得

一方リビングでは

「先輩、彼女にメールっすか?先輩格好いいからモテるでしょうね~、ぶっちゃけ告白されるってどんな気持ちですか?」

俊介が尋ねる

「告白かー、悪いなって感じかな」

「えー、嬉しいんじゃないんですか?」

「中学生の時はまあ、告白されたら付き合ってみようかなと付き合いはじめるんだけどな、部活優先すると文句いったり、たまの休みに出かけても自分の思い通りのとこいけなかったらすねるし、メールとかも毎日してとか……まあめんどい女としか付き合ってこなかったんだろうなー、高校は部活を真剣にやりたかったから全部断っていたけど今度付き合うなら自分が好きになった女と付き合いたいから告白は断ってるかな」

「それは先輩がモテるし、選べるからですよ、俺なんか告白されたらすぐ付き合ってしまいそう」

もう1人淳二が答える

「ないな、お前は(笑)」

「ひでー、晃太は?」

「俺は今はバスケ頑張りたいかな、彼女は無理に作らなくてもいい」

「晃太は姉ちゃんがかわいいからそれを上回る子じゃないと好きにならないんじゃないか?」

「朝、一緒に登校してるよな、仲がいいよな」

「仲はいいけど、まあ話が合う子ならいいけど、今はいないだけで」

「先輩、晃太はシスコンですよ」

「そっか(笑)」

香澄が二階から下りてくる

「ご飯にする?」

「あっ、うん、手伝う」

晃太は立ってキッチンに入る

(シスコンか……)

幸太は仲良く食事の仕度をしている二人を見ていた

「出来たよ、どうぞ」

「いただきまーす」

「おかわりあるからね」

「うちのカレーって豚肉なんだよ、牛肉も旨いな」

「俺んちは鶏肉、ビーフカレーうまい」

「みんなお家のカレーがあるんだね、瀬戸くんの家は何カレー?」

「その日の気分かな……俺が作るから」

「先輩、料理もできるってどんだけスペック高いんですか?」

「苦手なものとかないんすか?」

「苦手なものか……」

しばらく考える

「苦手っていうか、料理を残す子とか苦手だな」

「よく食べる子が好きなんですか?多少ぽっちゃりとかが好きとか?」

「体型じゃなく、注文して、多いと思ったら自分の食べれる量をわかってる子はいいんだよ、手をつける前に分けておいて俺に食べてとかいっといてくれたら……」

「ん?」

「(笑)わかりずらいよな」

「あたし、わかる、食べ残し方ってことだよね」

「そうだな」

「姉ちゃんは残さないよな、大食いだし、カレーも俺らと同じ量食ってるし」

「えっ」

香澄は自分のお皿をみる
たしかに同じおさらに5つご飯を同じ量いれた

「あたし大食いなのかな?」

「いつも俺と同じ量食べるじゃん」

「……そう、だね」

「お姉さん、お弁当は?」

「お弁当は晃太のほうが大きいよ」

「昼はさすがにな、俺部活あるし、朝と夜は同じだな」

「それで肥えてないなんていいじゃないですかー、俺も気持ちよく食べる子好きですよ」

俊介がフォローしてくれる

「俺もよく食べる子好きだよ」

幸太は香澄に向かって言う
香澄は真っ赤になった

(もう、こんなとこで変なこと言わないでほしいのに……)



玄関

「先輩、わざわざありがとうございました」

「いや、まだ貸しといてやるからよく見て勉強するといい、あとカレーご馳走さま」

「ありがとうございました」

俊介と淳二もお礼を言う

三人は帰っていった

「姉ちゃん、もう風邪大丈夫?料理させちゃったけど」

「うん、平気、しんどかったら作ってないよ」

「ありがと」

二人は家に入る
香澄は部屋へ戻る

‘香澄ってよく食べるんだな、照れた時も可愛かった、明日楽しみ’

もう~ほんと、どう返していいかわかんない 
恥ずかしいことよく平気で言えるなー

‘おやすみ’

返信の仕方がわからず勝手に終わらせた

次の日香澄の最寄り駅で幸太は待っていた

「おはよう、待った?」

「いや、行こうか」

二人は電車に乗る

「瀬戸くんはどの駅で降りるの?」

「3駅目だけど今日はもう少し先にいくよ」

30分程乗っただろうか、幸太に手を引かれて電車から降りてさらに15分程歩くとお寺についた

「お寺?」

「うん、行くよ」

階段をのぼりお墓のあるほうへ歩いていく、幸太が足を止めた場所は瀬戸家の墓だった


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