流されて付き合ってみたら意外と俺様でした
「母さんの墓なんだ」
「お母さん亡くなってたの?」
「うん」
「だから料理するんだね」
「だな、料理はでも高校入ってからかなー、ばあちゃんが来て作ってくれたりしてたけどだいぶ年取ってきたし、自分らでしようって姉貴と交代でするようになったけど今は父さんが休みの日以外は俺が作る」
「部活忙しかったのに大変だったね」
香澄はお墓に手を合わす
「高校入ってしばらくは購買でパン買ってたけど飽きちゃって自分で入れるようにした」
「月命日はいつ?」
「25日」
「じゃあなるべく毎月25日前後にお墓参り来ようね、お母さんに近況報告しなきゃ」
幸太はびっくりして香澄の方を見た
「ん?どしたの?」
「最初のデートで墓参りって引かれるかと思った……」
「(笑)お墓参りは大事だよ」
幸太は香澄に後ろから抱きついた
「やっぱりお前のこと好きだわ、墓参りなんて嫌がられるかと思ったし、はっきりいって賭けだった、初デートで墓参り~って言われたらへこむとこだった」
「なんでよ、お母さんに会わしてくれたんでしょ」
「うん、俺の選んだ子は間違いなかった」
幸太は香澄にいつものように後ろからキスをする
「お母さんに見られる、恥ずかしいよ」
「きっと喜んでるよ」
二人は寺を後にする
「これからどうする?」
「俺の家に行く」
「おうちの人はいるの?」
「いない」
ちょっと待って、それはやばいよね、さすがに家に二人は……
最初からエッチしたいような発言してたし、そんなつもりないから下着だって勝負下着じゃないし、そもそも勝負下着なんて持ってない……
あたしも賭けだ
「あの、瀬戸くん、お家はまあいいんだけど、その……瀬戸くんの思ってるような事はしないよ、それでもいい?」
「いいよ、俺確かに香澄とヤリたいけど嫌がる間は無理やりはしない、でも一度すると遠慮しないから充分覚悟しろよな」
「覚悟がいるの?」
「俺な、彼女はいたことあるけど中学ではしてないから……香澄とが初めてになるし、香澄も初めてだろ?」
香澄は頷く
「やっぱりお互い、同じ気持ちで一つになりてぇじゃん」
「……キスは強引だったくせに……」
香澄は小声でつぶやいた
「聞こえたよ(笑)キスはな、俺と付き合って欲しかったから……確かに強引だった、でも堕ちると確信あったからした」
「あたしが突き飛ばすと思わなかったの?」
「うーん、思わなかった、香澄の顔みたら大丈夫だと思った、目つむったし」
「ひどい、見てたんだ、あたしすぐ赤くなっちゃうのに」
二人は近くのスーパーに向かう
「今日は俺が作るよ」
「本当に?何作ってくれるの?」
「何がいい?」
「リクエストして作れるの?」
「たいていのものは作れるぞ」
「じゃあハンバーグがいい」
「まかせとけ」
買い物を済ませて幸太の家に着く
「広いね」
「でも、古いだろ~、父さんが料理人なんだよ、で、ガスがいいから台所の広い家を中古で探したらしいんだ、結婚した時に一軒家買ったからもう築30年くらいかなー、香澄の家みたいにリビングダイニングじゃないからな」
台所に案内してくれる
「作るところ見ていい?」
「いいよ」
幸太は手際よくハンバーグを作っていく
本当に普段からやってるのがわかる手つきだな
「香澄は何ハンバーグが好き?」
「お父さんが和食好きだから家で作るときは和風ハンバーグが多いよ、でも最近スーパーでもう形になってる生ハンバーグがあるじゃん、最近はお母さんも手抜きしちゃって焼くだけが増えてきたよ(笑)」
「あれは確かに便利だよな、でも俺らは量がたりないかな(笑)」
「私でも三つは欲しい」
「やっぱりよく食うんだな、作りがいがある、弁当用に小さいのも作って冷凍しとくんだ、だから大量に作っておく」
「大きな手だよね、すぐこねれそう」
「やばい、香澄と料理の話するの楽しいかも~こんな話したことねえよ」
幸太は終始笑顔だった
今日はご機嫌さんだな、いつものSっ気がない、
「お姉さんはお仕事?」
「仕事……父さんがサービス業だから土日も休みじゃないから母さんは仕事してなくて家にいてくれたな、バスケも小学校からしてたけど見に来てくれてたし、姉貴はモデルやってるよ、樹里亜って知らない?地元雑誌のモデルしてるんだけど」
「あまり雑誌とか読まないの、どっちかというと漫画とかアニメにいっちゃう」
「アニメが好きなのか?」
「うん」
「フェスとかいく?」
「お金かかるから行かない、バイトもしてないし周りにそういう友達もいないし、いいの自分で満足して見てるから」
「そっかこれから、香澄の事もっと知りたい、よし出来たよ」
「美味しそう~」
「二個食べれる?」
「食べたいからご飯少しにして」