※怪異にご注意※
あたしが部屋に通されてから10分が経過した。

鶴伽様は、ソファーに座って少し待っててと言い自分の机に向かって何かを始めた。

さっきからずっと何かを書いたり読んだりしてる。

あたしは部屋をこっそり見渡しながら待っていた。

たくさんの本が本棚にびっしりと入っている。

机の上と周りには書類の山。

とても居心地がいいとは言えない部屋だ。

「よし!」

あたしが部屋を分析していると、声と共に椅子から立ち上がる音が部屋に響いた。

鶴伽様はぐーっと腕を上に伸ばし背伸びをした。

そして、あたしの方を見て言った。

「お待たせしちゃってすまなかったね」

そう言い、あたしの目の前のソファーに腰を下ろした。

「まず、君の名前を教えてくれるかい?」

鶴伽様はにこりと笑った。

「ぁ、あたしの名前は“瓶城 優”」

あたしは何故か緊張しながら答えた。

「かめしろ ゆう…ねぇ。 年齢は?」

「21です…。」

「僕と10も違うのか!この仕事に興味は?」

え?

この仕事に興味?

さっきからまるで面接のような質問ばかり。

「あの。あなたがやってる仕事ってなんなんですか?」

あたしは質問を質問で返した。

鶴伽様は少し困った顔をした後、ぽつりと言った。

「怪異退治だよ」

「え…?怪異退治?」

なんだそれは。

あたしはぽかーんとしてしまった。

怪異ってお化けとか妖怪とかそーゆうのの事だよね?

馬鹿にしてるの?

あたしはそんなのを一度も見たことがないし、感じたことも無い。

だから、全く信じていない。

「おかしな話かもしれないけど、実際に実在してるんだよ。怪異は」





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