学校一クールなキミのお世話係になりました
彼の骨折した指は赤紫色にはれ上がって痛々しかった。


それから血行が悪くならないように怪我をしていない指を揉んだり優しくマッサージする。


病院から貰ったマニュアルを参考にして、毎日これを繰り返していた。


早く良くなりますように。


早く骨が元通りにくっつきますように。それからちゃんと元通りにきれいな字が書けるようにって祈りながら彼の手に触れていた。


こんなこと彼には内緒だけど、私はいつもそっと神様や仏様、この世のあらゆるものにすがるような思いで、祈っている。


まれに上手く骨がくっつかず、整復出来ないようなら手術もありうるってお医者さんから聞いていて私はそれが一番心配だったから。


「っ痛・・・」


「ごめん、痛かった?」


「本当にごめんね、こんなことになって、全部私のせいだよね」
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