学校一クールなキミのお世話係になりました
「うん、大丈夫。私、もっと頑張るからなんでも言って」


「駄目って言わないと、ほんとに知らないからな」

戸惑うような彼の視線と交わった途端に、頭の芯がぼうっとした。


「アンコ」


「ん?」


彼の長い人差し指が、私の唇に触れるのをぼんやりと眺めていた。


体が宙に浮くんじゃないかと思うくらいフワフワして現実ではないみたいな気がした。


彼の瞳が、甘く優しげに私をとらえるともう何も考えられなくなった。


夢の世界にいるみたいで動けなくなる。


「北原くん、あのっ」


なぜか落ちつかなくて、身じろぎしたその時。


彼の鞄の中のスマホが鳴る音がした。


ハッとしたように、離れて立ち上がる。


「あ、スマホ持ってきてあげるね」


「ああ、悪い」


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