学校一クールなキミのお世話係になりました
「でもすごいね、5つもぬいぐるみ作るなんて」


「ああ、まあね。でもあれは5つないといけないんだってさ。あのぬいぐるみは、両親と俺と妹とペットの分で、計5つで家族だから。
いつも一緒にいないといけないんだとか言ってたな」


「そうだったんだ」


あのぬいぐるみは、とても切ない妹さんの願いをこめたものだったんだ。


「妹にしてみればさ、離婚して家族が離れ離れになるのは辛いみたいなんだ。まだ小学生だし」


「うん、そうだよね。でも北原くんだって同じでしょ?」


「俺?俺はどっちでもいいよ。仕方ないことだしもうとっくに諦めてるから。ずっと両親が喧嘩してるとことか見てきたし」



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