学校一クールなキミのお世話係になりました
「そっか、大変だったね」


なんとなくどう返事をしていいのかわからなかった。


当たり前みたいに、仲の良い両親から愛情を受けて育ってきた私が、わかったような顔をして共感してあげられる程度の話ではない気がした。


「それに、母親が出て行ったのは俺が冷たくしたせいなんだよな」


ポツリと呟く彼の瞳には陰りが見えた。


「北原くんが?」


「俺こんなだし母親が泣いてても突き放すようなことしか言えなくて。別れる別れないでグチグチ揉めてるから、もうそういうのがずっと鬱陶しくて」


「でもそれは、仕方ないよ。北原くんだって苦しかったんだとおもう」


「俺がひどいこと言ったんだ。そしたら翌日、妹を連れて出て行った」


「そんな、北原くんを置いていくなんて。」


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