学校一クールなキミのお世話係になりました

私の気持ちはどこへ向かっていくんだろう。


その先には何が待っているんだろう。


そんなことを考えながら、何も言わずに彼の左隣りを歩いていた。


さっき、母親のことを話す時の彼は深い心の内を垣間見せてくれたような気がした。


そして、私の言葉にも素直に耳を傾けてくれた。


そのことで、グッと心の距離が縮まったような気がしたのは私だけかもしれないけれど。




「そうだ、ネコ元気か？」


「あ、うん。エサもたくさん食べてるし。少し大きくなってきたよ」


中庭で助けた仔猫は、飼い主が見つかるまでうちであずかることにしていた。


昼間は専業主婦の母が仔猫の面倒を見ている。


いま、担任の先生たちが大急ぎで引き取り手を探してくれていた。


「飼ってもいいって人、見つかりそう？」