学校一クールなキミのお世話係になりました
「俺、こっちから半分は、やったからもう帰っていい?」


上背のある彼から見下ろされたせいかちょっと威圧感を感じた。


それに、ずっと無表情だしあまり目線が合わない。


北原くん、早く帰りたいのかな?何か用事があるのかな。


だけど、さっきから気になって困っている事があった。


「あのね、あの草のところに蜂みたいな虫がいて、怖くて近寄れなくて。あそこの下に葉っぱがたくさん溜まってるから掃除したいんだけど」



校舎側の草の茂みのあたりに、大きな蜂がいてそこだけ手付かずになっていた。


彼が先に帰るのは、全然構わないのだけどそれだけ相談したかった。


「どうしたらいいかな?」


背の高い彼を、小さな私が見上げるような形で問いかける。


思わず彼の綺麗な瞳をじっと見つめていた。


< 16 / 303 >

この作品をシェア

pagetop