学校一クールなキミのお世話係になりました
遠くの彼、寂しい私
翌日、3時間めの授業が体育だったので、北原くんの着替えをいつものように手伝おうとした時だった。
「アンコ、着替えはもう手伝ってくれなくて大丈夫だから」
「えっ?どうして、だって」
彼にやんわり断られて、戸惑ってしまった。
いつもなら、嫌がる私を当然のようにこき使おうとするくせに。急になんでこんなことをいいだすんだろう。
「ほら、早くでていかないと、男子達が着替えはじめるぞ」
「でも、1人じゃボタンも外せないでしょ。手伝うよ?」
「大丈夫、結構治ってきてて怪我をしてる指も少しは動かせるようになったから」
彼は、私の背中を軽く押して穏やかな口調で出ていくように促してきた。