学校一クールなキミのお世話係になりました
頭から氷水をかけられたみたいな衝撃だった。


さっきまでの私の浮かれ気分が吹き飛ぶくらいの。


「あんたさ、そうやっていっつも男に媚びるような目してるけど、俺にはそういうの通じないから」


彼は冷たく言って、硬直している私に自分の持っていた箒を押し付けてきた。


え?媚びるだなんてそんなつもり全然なかったんだけどな。一体何がそんなに気に触ったんだろ。


「ほら、これ片付けとけよな」


「あ、でも」


「なに?」


軽く睨まれて、体に電気が走ったような気がした。


「・・・」


ビックリしすぎて途方に暮れてしまった。


立ち去ろうとする彼の背中をぼんやり見ていたら、キーンっていう嫌な音が聞こえる。


さっきの大きな蜂が私の周りをグルグルと飛び回り始めた。


「キャー」



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