学校一クールなキミのお世話係になりました
2人が、今どんな風に思っているかって容易にわかっていたし、否定しなきゃって思ったのに、なにより心配かけたくないのに、それ以上なかなか言葉がでてこなかった。


「元気だして、杏ちゃん。もうこの際、北原くんに素直になって思ってることを全部、言っちゃいなよ」


育ちゃんに、両手をギュッと握られて意味深なことを言われる。


「そうだよ、我慢することないよ。合コンなんか行っちゃダメ、私だけを見てって言わないと」


いつになく、熱い眼差しで言う京ちゃんにびっくりした。
育ちゃんも、真剣な表情だ。


「ちょっ、ちょっと、どうしたの?2人とも」


落ち込んで項垂れていたけど、2人に突拍子も無いことを言われ動揺した。


まるで、私が彼に恋い焦がれていているのを前提に会話が進んでいる。
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