学校一クールなキミのお世話係になりました
「違うよ、私、北原くんのことなんてなんとも」


慌てて、手を横に振りながら力一杯に否定した。


親友2人は、顔を見合わせて盛大にため息をついた。そして2人でコソッと話し合いをはじめる。


「もしかして、杏ちゃん、自分で気づいていないのかな?」


「うそ、無自覚ってこと?」


「でも、杏ちゃんならありうるよ。自分の魅力すら全然わかってないし」


「杏は鈍感だからね、まあそこが可愛いんだけど」


私を蚊帳の外にして、2人が私について話してるのを不思議な気持ちで聞いていた。


それから珍しいものをみるような目で繁々と見られて、ちょっと恥ずかしくなる。


「あーあ、もったいない。北原くんといる時の、杏ちゃんって凄く幸せそうな顔してるのに。凄く凄くいい顔してるのになあ」

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