学校一クールなキミのお世話係になりました
助けて北原くん



「おーい、月島さんこっちこっち」


中庭まで走ってくると、先に来ていたらしき遠藤くんが手を振っている。


「遅くなってごめん、遠藤くん、私が掃除代わるから部活に行ってくれていいよ」


彼の持っていた箒を掴んで、笑いかけた。


彼はさっきの教室での一件を知らないから、ちょっとホッとする。


「いいの?月島さん、昨日も代わってもらっちゃって、なんか悪いな」


すまなさそうに言う遠藤くんに、明るく答える。


「いいのいいの、だって遠藤くんだって北原くんの掃除当番代わってあげてるんだし」


遠藤くんは昨日も、北原くんがするはずだった中庭の掃除を頼まれていたのだけど、それをこっそり私が代わってあげていたのだ。

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