学校一クールなキミのお世話係になりました
あって、思って逃げようとしたけれど、バチッと顔にぶつかられた。


「キャッ」


比較的、大きな蜂で絡み合うように飛ぶその2匹が、私の周りをハイスピードで飛び回った。


ブンブン羽を鳴らす嫌な音が耳について、パニックになりそうだ。


「や、やだ、やっ、ハチ、やー」


蜂だと思ったら、怖くて足がすくんでしまう。


手だけをブンブン振って、追い払おうとしたら突然制服の中に入ってきたのでギョッとして思わず大きな声で叫んでいた。


「いや、やー、助けて、北原くん」


私ってほんとバカみたいだ。


こんな時に彼の名前を呼んだりして。


彼が助けに来てくれるわけなんてないのに。


だって、今頃は教室にいるはずなんだから。


大きな蜂が服の中で、暴れまわっていて気持ちが悪くて怖くて最悪だった。

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