学校一クールなキミのお世話係になりました
こんなところで、考えただけで恥ずかしい。


中庭の向こうの方にはバレーボールで遊ぶ男子が数名いて、こっちを見ていたようだった。


多分、私が1人あわてふためいている姿を見られていたんだ。


あれ以上、脱いだところを、もし知らない男子たちに見られたらと思うだけで、死にたくなる。


だから、あんなに慌てて北原くんは飛び降りてきてくれたんだ。


私を助けようとして、あんな無茶な階段の降り方をしたのかもしれない。


怪我をしていて、普通の状態じゃないのに。


「ごめん、手を入れるから」


「う、うん」


ブラウスの下からそっと左手を入れて背中をまさぐられるけど、ドキドキするというよりもホッとしていた。


彼がそばにいるだけで、さっきまでの恐怖が半分以下になった。

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