学校一クールなキミのお世話係になりました
彼ならきっと、助けてくれるって安心して任せられる。


「下着の中に引っかかってるみたいだ。とるよ」


「うん」


下着をうかせるようにしたら、ようやく虫がでてきて、すごい勢いで飛んでいった。


「よかった」


ヘナヘナと足の力が抜けて、その場にペタリと座り込んだ。


「大丈夫?」


「うん、ありがとう。もう大丈夫。北原くんが来てくれたから」


「大丈夫そうに見えないよ。そんなに泣いて。怖かったろ?顔色が真っ青だ」


いつになく彼の声が優しくて、甘えてしまいそうになる。


左手で胸元を隠していた私は、右手で彼の手首をそっと掴んでいた。


こんな無様な格好だったけど久しぶりに、話せたことが嬉しくて仕方がなかったんだ。


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