学校一クールなキミのお世話係になりました
「あのさ、保健室いこうか。どこか刺されていたら大変だし。応急処置だけでもしておいたほうがいいかもしれない」


「蜂に刺されてるかもしれないから?」


「蜂というか虻(あぶ)のようにも見えたんだけど、一瞬だったからどっちかわからなかった」


「虻(あぶ)ってなに?」


その名前の印象からして蜂なんかよりもっとグロテスクな虫のように思えて背筋が冷たくなりそうだ。


「いや、はっきりとはわからなかったけど。
歩けそう?歩けなかったら保健室までおぶって行くけど」


「うん、大丈夫。歩けるよ」


「本当に?」


「うん」


私を気遣ってくれる彼がちょっと過保護のような気がしてならない。


それから、彼と一緒に保健室に向かったのだけど。

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