学校一クールなキミのお世話係になりました
彼の気持ち、私の気持ち
目を開けたら、保健室の窓から茜色の夕焼けが見えたので慌てて飛びおきた。
どうしよ、結構眠っていたみたい。
「あ」
北原くんが、ベッドの傍らで椅子に腰を下ろしている。
彼はぼんやりこちらを見つめていた。
夕日に照らされた顔がなんとも清らかで綺麗。
見れば、怪我をしていない彼の左手は私の右手としっかり繋がれていたからドキっとした。
「あの、北原くん?」
「ああ、ごめん」
「目を開けながら寝てた?」
あんまり彼が放心状態だったから、一瞬そう思った。
「まさか」
彼は目を細めて優しく笑い、繋いでいた手を自然にひっこめた。
「だって北原くん、ぼーっとしてたから」