学校一クールなキミのお世話係になりました
戸惑うように言う彼のその言葉を聞いて、びっくりした。


一体、私が他の誰と付き合うっていうんだろう。


こんなに、北原くんのことだけを好きなのに。


「ん、待てよ、好きってラブの意味じゃなくライクってことか、そうかそうだよな」


彼のひとり言はあらぬ方へ進んでいきそうで、焦ってシーツをとって起き上がる。


「ライクじゃないよラブだから、大好きなんだよ。もうどうしてそんなに鈍感なの?」


怒ってまくしたてた愛の告白はムードもなんにもなかったけど。


次の瞬間、私は愛しい人の腕の中にいた。


彼の左腕が、私の背中にまわされていて、目の前にはたくましい胸がある。


かぐわしい香りに包まれて頭の芯がぼうっとする。



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