学校一クールなキミのお世話係になりました
大きくてちょっと骨ばっている、すべすべした彼の手。


「なんだよ、アンコにしては積極的だな」


照れたように笑う彼の全てがキラキラしていて眩しい。


こんな風に彼の笑った顔が見られるだけで、私は信じられないくらいに幸せ。


だから結局、私は彼のいいなりになってしまうんだ。


もう、どうしようもないな私。


自分自身に呆れながら、ユイさんが彼の妹で良かった、勘違いで良かったって思って、ホッと胸を撫で下ろしていた。


彼は怪我が治ったら2人で遊びにいこうと言ってくれた。それを楽しみにしながら待っていようと思った。


なにより、彼と家族との関係がいい方向にむかえばいいな。北原くんの願いが叶いますように。
そっと祈りながら、彼の手を自分の頬にあてて祈っていた。




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