学校一クールなキミのお世話係になりました
「そうだな、だったらこれからはなんでも話すよ」


口角を上げて言う彼は、自然に手と手を絡めてきた。


まるで、ずっと以前から恋人同士だったみたいに。


「じゃあ、教えて。
いつから、手術の話を隠してたの?」


「もういいだろそれは過ぎたことだし」


また心配そうに私を覗きこむから、ううんって首をふる。


「いいの、泣かないから教えて」


彼はちょっと考えるような仕草をしてからようやく口を開いた。


「俺の誕生日の日だったかな。1人で病院に診察に行った時に聞いて。ちょっとややこしくなりそうだったから、アンコには言えなかった」


やっぱりあの時からだ。あの夜の彼は明らかに元気がなかったんだ。


「だから、様子がおかしかったんだね。全然気がつかなくてごめん」


「謝らなくていいよ。俺も隠してて余計に心配かけたんだからこれでおあいこだよ」


「おあいこだなんてことは無いと思うけど」


「いいんだよ。だってまたこれからも面倒見てくれるんだろ?世話焼きのアンコちゃん」

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