学校一クールなキミのお世話係になりました
「あ、うんそれは任せて。でもダメかな?」


「駄目じゃないよ。だけど」


「だけど?」


一旦言葉を止めた彼は、息を小さく吸い込んではっきりと言った。


「これからもずっとだからな。怪我が治ってもアンコは、ずっと俺の傍にいろよ」


「うん」


愛おしそうに見つめられて、胸が熱くなりドキドキした。


あんまり自分の心臓の音が大きく感じられて彼に聞こえてしまうんじゃないかと思ったくらい。


「ずっと北原くんのそばにいるからね」


病院のロビーだということも忘れてちょっとだけ体を寄せあった。


ブルルルル。


スマホの振動音を感じてポケットから取り出すと、一ノ瀬君からのメッセージが届いている。


「あっ」
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