学校一クールなキミのお世話係になりました
私に降参するみたいに両手を上にあげる彼の表情はどこまでも優しい。最近、調子が狂っちゃうくらいに彼は私を甘やかしてくる。


「そうだ、アンコ、さっき言ってた喫茶店から行こう。俺腹へった」


「いいよ。じゃあ、また食べさせてあげるね」


「いや、それはもう」


彼は照れくさそうに口ごもる。何故だか付き合いだしてからはそういうのが恥ずかしいみたい。


「じゃあ一口だけ。アーンしてあげるっ」


「好きにしてくれ、一口だけな」


「うんっ。それといま手を繋いでいい?」


いつもなら学校の中では繋がないけど、今日は文化祭だからお願いしてみる。


「聞かなくてもいいよ、ほら」


彼はこちらへ手を伸ばし、輝くような笑顔を私にくれた。



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