学校一クールなキミのお世話係になりました
両親の離婚は夫婦の問題だから、どうしょうもないとしても、家族は家族としてこれからも助け合い関わっていくことにしたのだと言う。


それを事細かに話してくれた彼の目には一点の曇りもなくて安心した。


「アンコのおかげだよ。あの時言っただろ。家族なんだから何度でも話し合えば分かり合えるはずだって。俺が素直に向き合えたのはアンコがあんな風に言ってくれたからだよ」


眩しそうに私を見つめる彼の目は、青空のように澄み切っていて清々しい。
彼がこんな風になんでも話してくれて凄く嬉しかった。


「北原くん」


「それとこの右手があったおかげかな」


私の右手がゆっくりと彼の口元に持っていかれるのを、ドキドキしながら見ていた。


指の付け根あたりに彼の熱い口づけを感じて、椅子から飛び上がりそうになるくらいにときめいた。

「それでさ、場合によっては、俺は母親の実家に引っ越すことになるかもしれないんだ。
そうなる前に、アンコにはちゃんと伝えておこうと思って」


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