学校一クールなキミのお世話係になりました
「えっそんな」


顔を赤くして放心していたけど、急な話で動揺してしまう。


彼が隣のマンションからいなくなるなんて、全然考えたこともなかったから。


だけど、わがままなんて言ってはいけない気がして黙って頷いた。


彼の選んだ選択やその未来に、陰を落とすようなことは言いたくない。


「そんな顔するなよ。学校は今まで通り変わらないから。ただ今住んでるとこからは1時間以上はかかるかな。でも会えない距離でもないよ」


「ほんとに?そんなに遠くには行かない?」


「行かない、大丈夫だから」


「それなら、いいよ。話してくれてありがとう」


彼の手をギュッと握りかえして、安心して笑いかける。

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