学校一クールなキミのお世話係になりました
「正式に決まったらちゃんとまたアンコに話すから」


「うん」


「たしかに家が遠くなったら寂しいけど、そんなにガッカリしなくても大丈夫だよ」


彼の表情は、なぜだろう確かな自信に満ちている。


「どうして大丈夫なの?」


「だって俺とアンコはいつでも繋がってるんだろ?」


繋いだ手を強く握り笑みをこぼす彼。


「えっとそれは。でも北原くんは信じてなかったよね?」


「科学で解明できないことは基本的に信じない。けど、俺だって好きな子の言うことは信じてみたいって思う」


だけど、あの日以来そんな不思議な感覚は2度とあらわれることはなかったし、今となってはあの右手に感じた痺れも単なる気のせいだったような気さえする。


もちろん、お医者さんにもきちんと検査してもらったけどなんの異常も見つからなかった。
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