学校一クールなキミのお世話係になりました
「うーん、あれってなんだったんだろう」


「いいんじゃないか、別に理由なんてわからないままでも」


「そうかな」


「きっと俺とアンコが心で繋がったんだよ」


彼にしては随分と気障なことを言うんだなって思ったけど、優しく胸があたためられる。


そしたら、無性に彼が愛おしく感じて胸がいっぱいになる。


「うん。大好きだよ北原くん」


「俺も。ほらまた繋がったろ」


顔を見合わせればどちらからともなく微笑みあうから握っていた手はまた強くなる。


ほんとだね、私いまなら北原くんの気持ちがちゃんとわかるよ。


「俺アンコが大好きだ」


言って嬉しそうに笑う彼のことを愛しいって私の体と心、まるごと全部が騒ぎ出す。


窓の外から木漏れ日と一緒に小さな風が入ってきてカーテンを遠慮がちに微かに揺らした。

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